FOX FLOAT RLのオイル漏れを修理! リアサスペンションを分解・シール交換
今日はタイトルの通り古いMTBに取り付けられていた、FOX FLOAT RLのオイル漏れについて話していきます。
2000年代初期のモデルになると思いますが、cannondale scalpel 2000というフレームのリアサスペンションに取り付けられていました。
このフレームを引き取る際にすでに「リアサスペンションは死んでますよ」と前オーナーに言われ、直ったらラッキーくらいに考えていました。
前のオーナーさん(某有名なインフルエンサーの方)もご自身で修理を試みたところ、そもそもサスペンション本体がフレームから外れないし、固定ボルトは欠品、ロックアウトの切替レバーも欠品。
問題が多くお手上げ状態だったため手放したようです。
引き取りの際、「この状態のフレームをどうするんですか?」と聞かれたので、
「直しますよ!」というと「素人には無理だよ。私だって修理出来なかったのに〜」と言われ、、、、なるほど、絶対修理してやろうと静かに闘志を燃やしたのはここだけのお話。
そんな感じでスタートしたレクトア記録を今からお見せします!

こちらがscalpel 2000。フルサスペンションのCX(クロスカントリー)モデルだったようです。フロントはヘッドショックを採用していたようです。
今回引き取ったフレームはフォークなし、フレーム単体でした。
サスペンションのアップを載せておきます。(正常な状態。ネジの欠品などなし)

ちなみにまるで囲んだ部分が紛失していました。
下がサスペンションの現状です。ここまで誰でも分解できます。

現状はこのような状態で、オイル漏れをしていたのは赤矢印で示す箇所。
赤丸で示した紛失しているボルトは代わりのものを探してきます。
そして外せないと言っていたのがこの黒い三角形の部品とこのステンレスの軸。黒い三角のパーツが軸に圧入される形で取り付けられているため、非常にかたいです。このようなパターンはキズがつかないように処理した後に、少しずつ黒い三角形に打撃を与えてあげると外れてきます。
叩く位置は、ステンレスの軸に挿入されていない穴の2箇所。交互に6回ずつくらい叩くのを繰り返しながら、左右同じくらいの力で叩きましょう。時間はかかりますが少しずつ外れてくるはずです。

外れるとこんな状態です。軸に溝が切られています。サスペンションが作動した際に供回りしないように工夫されています。これは硬くて外れないわけです。
ちなみにこのステンレスの軸に切ってあるネジピッチ、、、、特殊ネジでした。特殊ネジといっても日本の規格ではないため、国内ではあまり使われていないというだけですが。
ASME B1.1で規定されるユニファイインチねじ1/2″-20 UNF
ASMEは American Society of Mechanical Engineers(米国機械学会)で、ASME B1.1は米国で使われるユニファイインチねじ(UN/UNR)の規格です。
呼び径:1/2インチ 外径(基準寸法):0.500 inch = 12.70 mm 山数:20 TPI(1インチあたり20山) ピッチ:1.27 mm 規格:UNF(Unified National Fine/ユニファイ細目ねじ) ねじ山角度:60°
ここで少し注意したいのが、かなり近い規格にM12×1.25があることです。
1/2-20 UNF:φ12.70mm × P1.27mm
M12×1.25:φ12.00mm × P1.25mm
似ていますが、全く違う規格です。試しにM12の方を購入して取り付けてみましたが全く噛み合わなかったので注意してください!
ネジの規格がアメリカンなのは、フレームメーカーがアメリカ🇺🇸なので納得ですね。このネジを探すのもとても大変でした。
誰もこんなネジの規格まで調べないですよね。でも探している人がいるならこのネジです!
『Cannondale Scalpel2000のサスペンション固定ボルトの規格情報はここにありますよ!』
Amazonで販売しているので簡単に手に入ります。日本のホームセンターにはおいてありません!
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さあ本題のサスペンションを修理していきます。

分解ができるところまでバラしました。
サスペンションをバラす際はエアーを抜いてから作業しましょう。高い圧力の空気が入っている状態では非常に危険です!(今回は元々エアーが抜けていたためそのまま作業をしています)

サスペンション単体ではこちら。サスペンションはこれ以上分解できません。理由は、君つけ分解するための工具、及び窒素ガスを充填できる設備がないため分解できません。オーバーホールしたい気持ちはありますがこの先はメーカーに送らなければ処理できないため、今回は自身でできるところまで。
上の写真右側に並んでいるシールが既存のものです。わかりづらいですが、切れてしまっているものもあります。これを交換すればオイル漏れは改善しそうなのでやってみます。
ブッシュやシールの補修パーツが出ています。ありがたい!
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FLOAT FLUIDもAmazonに出品されていますが、高額なので今回は海外通販でアメリカから取り寄せました。(商品が到着するまで半年近くかかりましたが笑)
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分解が終わっているので、組み付け前に洗浄していきます!
が、ここで要注意です!
汚いからといっていつものようにパーツクリーナーやディグリーザーなど強い溶剤系の洗浄液は絶対に使用しないでください。
Foxのサイトにも書いてありますが、洗浄力の強いもので洗うとコーティングしてあるものが剥がれたり、シールなどゴム系のパーツも破損する可能性があるとなっています。
サスペンションの破損やオイル漏れの原因になるので絶対に使用しないようにしましょう!
洗浄の際は中性洗剤を使用し優しく洗ってあげるといいです!



洗剤を水に溶かして優しく洗い上げます。洗い終わったらよく乾燥させておきましょう。

乾燥させたら組み付けしていきます。
新しいシールを各所に戻していきます。大体の取り付け位置においてみました。
ではまずは上から復旧していきます。
一番上のOリングから。

シールにはそれぞれグリスを塗った方がいいとあります。が今回はFLOAT FLUIDを代わりに塗って組み付けます。
本当はスリックハニーのようなグリスがいいようです⬇️
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指に少しつけてOリングにつけていきます。
次は下の段です。シールにはサイズと順番があるので、既存のものを取り外す前に写真を撮って記録しておきましょう!
そして、この白いシールのは向きがあります。
この白いシールには斜めの割が入っているのですが、組み付け時はその割の重ね方向に注意して組み付けましょう!

このような感じで割が入っています。当たり前ですが、段差のつかないように組み付ければ問題ありません。よく確認しながら取り付けましょう。

少しみづらいですが、写真のように重ねて取り付けましょう。



この状態で完了です。次にいきましょう。

お次はこのパーツです。このシールは割が入っていません。
既存のシールを撤去する際もそうですが、とても取り外しにくく復旧しずらい。
撤去の際は尖った千枚通しなどを使用すると思いますが、くれぐれも内側に傷がつかないよう気をつけて作業しましょう。サス内の圧力を高くするため少しの傷からもオイルは漏れてきます。

1枚目の白いシールが入れ終わったら、今度は黒いシールを入れます。
さらに次に2枚目の揃いシールを入れます。
正直(えっ!ここに入るの?)というくらい狭いです。なので

シールを変形させつつ入れます。破損しそうで心配になりますが、正しいやり方のようです。
白いシールは柔軟に動きますが、折り目がつくくらい力を入れてしまうとよくないので、力加減は注意しましょう。(なかなか入らないので、力ずくで嵌め込みたくなりますが抑えてください)

これでOKです。
最後端部にもう一個シールを取り付けます。

劣化して割れていたオイル漏れの原因になっていたと考えられるシールです。
これはすんなり取り付けられます。

完了です!

ここまできたらもう少し。
あとはこの黒いパーツを復旧し、エアーを充填するだけです。

ここまではめ込むのにも比較的硬いので力が入ります。指を挟まないように注意しながら作業してください。

内部にFLOAT FLUIDを注射しておきましょう!量は適当ですが、多すぎると良くないので少なめでいいと思います。

さあいよいよ最後の難関。
ここを閉じれるかです!私のやり方の問題なのかもしれませんが、笑ってしまう食らう硬いので覚悟してください!

格闘しなんとか復旧完了です。黒いOリングはサグ調整用に使用するものです。これも最後に取り付けます。
ひとまず、エアーを入れて空気やオイル漏れがないか確認。
問題なさそうなのでフレームへ組み付けです。
この際一度入れたエアーは、抜いた方がフレームに組み付けやすいです。
エアーを入れる際はサスペンションポンプを使いましょう。
一般的にタイヤに空気入れるための空気入れではエアーが入りません。
高圧に対応したサスペンションポンプを用意しましょう!
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フレームに組み付けました。ロックアウトの青いレバーが紛失しているので寂しいです。
何か代わりのものを探してこようと思います。

探すのに苦労したネジもこんな感じです。
不細工ですが、とりあえず固定できています。これも後々加工して格好良いものにできたらなと思っています。

不思議な形のフレームですね。試行錯誤してより良い製品を作るために模索していた時代に生まれたこの形。洗練されず荒削りなこの感じがとてもかっこいいです!
チェーンステーはカーボンの差し込み式が採用されています。
剛性としなりと軽量の目的でしょう。


クラックや割れ、傷もなく状態は良好です。

なかなか癖のあるフレームですが、今後リビルドをしていけたらと思います。
今回メインはFOXのオイル漏れ修理でしたがどうでしたか?
もう補修パーツもないし、メーカーに送ってメンテナンスは高額だし、と諦めていた方の少しでもお役に立てたらと思います。
ではまた次回お会いしましょう!
